マインド

『孤独感の研究』から見えた孤独な人の4つの傾向

今回は、孤独感に関する研究の要約を扱いますよ。

その研究内容と、そこからわかった孤独な人の4つの特性について解説します。

 

A STUDY OF THE FEELING OF LONELINESS (I)

日本語タイトルは『孤独感の研究』です。

研究の内容

目的

いくつかの基準に基づき、修正版のUCLA孤独感尺度(Russell、Peplau&Cutrona、1980)の信頼性と妥当性を調べることです。

被験者…975人

結果

1)慢性アルコール依存症者が最も高い孤独感を示した。

中年>大学生

2)大学の新入生の場合にのみ有意な性差が見られた。

男性の新入生>女性の新入生

3)改訂版UCLA孤独感尺度は、信頼性と妥当性が高いことが示唆された。

この調査で分かったこと

孤独な人たちに見られた4つの傾向がわかりました。

それは、以下の通りです。

  1. 社会活動や社会関係が限定的である
  2. 自分の両親を不快、冷たい、信頼できないと見なす
  3. 自尊心が低い
  4. 医学的および心理的な問題が多い

ここが孤独にまつわり、なんかしらの生きづらさを感じることと相関関係があるんですね。

①社会活動や社会関係が限定である

いわゆる、物理的な「孤独」「ぼっち」ですね。

孤独感を感じている人は、孤独である。

引きこもりだったり、働いていても家と会社の往復だけで飲み会、イベント、友人との遊び、趣味サークルへの入会、ボランティアなど、第三者と定期的に交流する場がなかったり、避けていること。

②自分の両親を不快、冷たい、信頼できないと見なす

簡単にいうと、親子関係が不仲であること。

  • 親が精神疾患、アルコール中毒者、犯罪者
  • 乳幼児期の愛着形成不全(触れ合いの少なさ)があった
  • DV、暴言、ネグレクト、過干渉、といった心身へ虐待を受けて育った
  • 親が離婚⇄再婚を繰り返し、再婚相手が入れ替わったり、親戚をたらい回しにされた

など、何らかの背景があること。

第三者目線で見ると「えっ、あなたの家庭環境、かなり恵まれているよ?」と思えるようなケースでも、本人からすると「親から愛されたなかった」「ほかの兄弟はかわいがられていたのに私だけ十分な愛情を注いでもらえなかった」という兄弟格差を感じていたりもします。

③自尊心が低い

  • 自分が素晴らしいと思えない
  • 自分が素敵と思えない
  • 自分のことが好きでない
  • 自分はいけないヤツだと思ってる

👇👇👇

こんな素晴らしくない自分なんか、

みんなに認めてもらえないし

受け入れてもらえないと思ってる。

👇👇👇

大勢の中にいても私は独りだ…寂しい。

人に囲まれてるのが辛いから、

いっそ独りでいよう。

 

こんなふうに思っていってしまうことも。

そして、

  • 自分が素晴らしいと思えない
  • 自分が素敵と思えない
  • 自分のことが好きでない
  • 自分はいけないヤツだと思ってる

この原因が

✅自分の両親を不快、冷たい、信頼できないと見なす

にあることが対話をしていると結構あるんじゃないかな、と経験的に感じます。

 

親から承認されていないかったり、否定されたり、誰かと比較されたり、そうして、自分が素晴らしいと思えなくなってしまう。

 

「人間関係がうまくいかない人は、親子関係に原因がある」というのはセラピー業界の方の発信を見ていても、よくお見かけしますが、研究レベルでも出ています。

 

だからこの記事を読んでいるあなたが、

  • 孤独感が強めである
  • 親のことを「冷たい」などネガティブな思いがある

という状態なら、向き合うの「親子関係」なのです。

④医学的および心理的な問題が多い

孤独な人は、生活習慣病でも、うつ病でも、なんらかの健康問題を抱えているということですね。

「鶏が先か、卵が先か」のように、

孤独だから健康問題が発生したのか?

あるいは健康問題があるから孤独になったのか?

どちらでしょうか。

 

書籍『友達の数で寿命は決まる』によると

ハーバード大学のクリスタキス教授らは、約3,000人を一年間追跡調査して、交友関係の量と質、健康、社会的活動の関わりを研究しました。その結果、友人が増えると社会的な活動も増えるし、社会的な活動が増えると友人が増えてくるという関係がわかってきました。ささらに友人の数が増えると健康への意欲が高まり、健康への意欲が高まるにつれて親密度が上がるという好循環があることがわかったのです。

ということが書かれています。

このことから、孤独であることで健康問題がおきやすくなっているのでしょう。

孤独感について思うこと

孤独であることがいけないか?

悪いことか?

というと、必ずしもそうではないと思います。

孤独である、一人でいることを「楽しんでいる」「落ち着く」ならそれはそれでいいと思います。

 

ただし、「孤独感」があり、辛い、みんなと仲良くしたい、という思いを抱えているなら、人との関わり方を見直す必要があります。

孤独感の根っこには「自尊心の低さ」「親子関係」が関係するので、心も身体も生き方も見直したい方は、ぜひメルマガに登録して、連続講座のノートの書き出しワークをやってみてください。

その中に親子関係を見直すワークも含まれています。